21世紀に新型の国際的な視野を持つ学生向けの日本語教育方法
―中国人学生に第二外国語として日本語の効果的な習い方―
馬 駿驍
研究動機・背景
中国では、グローバル化の進行や高等教育の大衆化により、日本語教育・学習をめぐる状況が近年大きく変化してきている。(李・修,2018)しかし、英語が共通言語の役割を果たすことはできない場合がたくさんある。その上、中国語は母国語として使用している中国人であるので、中国人の英語学習者にとって英語をペラペラと会話をすることは困難である。非英語圏の両国間の英語で進行する連絡は非効率的であり不正確だと考えられる。
一方で、2019年12月までに、中国は日本の二番目の輸出貿易相手国であり、一番目の輸入相手国である。日中の貿易額が増加すると共に、日本に関する翻訳・国際貿易・留学生の輸出と輸入などの領域の人材の必要が重要になると思われる。
外国語を専攻する中国人学生には「啞の外国語」という現象が普遍的にある。中国人学生の日本語能力試験の合格率が高いという事実にも関わらず、中国人留学生の会話能力が弱いと思われる。この問題を解決する為、以前の日本語教育仕方と異なる新しい方法が必要と考えられる。
その際、本研究を考え付くと思われる。
研究目的
そこで、本研究では、新たな視点に基付き、教育システムの伝統的な教育仕方を改良し、中国人学生向けの新しい日本語教育理論を開発することを目的とする。
研究意義
現代の世界にある人種や国に対する偏見や差別が大部分は他国の文化や社会制度の理解が不足に引き起こされる。理解を始める為に、言語が最も重要なことである。本研究により、世界中で存在する不平等や偏見などの形勢を和らげる為の参考になればと思う。「ゆえに、言語教育法を研究することは、人間が言語を正しく用いるよう導き、相互理解を深め、人間社会の平和と安定に貢献する上で大変重要である」(竹中佐瑛子,2010)ということである。
研究方法
1.文献調査
オープンデータ、論文など日本語教育についての資料を収集し、現在の日本語教育の進行仕方における短所について整理し考察する。
2.データ統計
大学や塾などの場所に於ける実態を把握する為、教授先生から許可を得ることから、教室内での観察が可能である。観察の実施時期など詳細については教授先生が調整する予定である。
3.学生調査
教室観察の分析結果を補足する為、学生調査を行う。形式は試験の結果やアンケートとし、教室観察で問題になった点について、学習者の学習仕方を把握することを目的として行う。
参考文献
竹中佐英子(2010)「言語教育法と中国語教育法」『目白大学 人文学研究』第6巻,第6号,pp.207-217
趙秀敏,今野文子,朱嘉琪,稲垣忠,大河雄一,三石大(2012)「第二外国語としての中国語学習のためのブレンディッドラーニングの開発と実践」『教育システム情報学会誌』第29巻,第1号,pp.49-62
水野瑛子,柴田龍希,俵山雄司(2019)「討論の行き詰まりに対する話題展開:日本語母語話者と中国人日本語学習者の比較」『名古屋大学日本語・日本文化論集』第26巻,pp.35-55
李運博,修剛(2018)「海外の高等教育機関における日本語教育の現状と課題:日本からは見えない文脈を検証する 新時代に向かう中国日本語教育の現状と課題」『早稲田日本語教育学』第24巻,pp.49-57